【論文紹介】Environmental Exposures and Risks During Pregnancy (第1回)

原文リンクはこちら: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38706212/

JMMCでは論文やガイドラインをランダム紹介しています。今回は野外環境、山岳環境における妊娠中の人体が受ける健康影響について書かれた論文“Environmental Exposures and Risks During Pregnancy”をご紹介します。

今回の論文で考えられている野外環境
・極端な高温・低温
・高所
・スキューバダイビング
・落雷
・毒生物による咬傷・刺傷
・節足動物媒介感染症
・日光曝露
・飲料水の浄化
・遠隔地(つまり局地)への旅行
となっています。

こちらの論文かなり長い論文となっていますので、今回も数回にわたってご紹介したいと思います。第1回は良い点についてお話ししたいと思います。

【妊娠中に自然環境で活動することの利点とは】
まず、この論文では妊娠中に野外環境で活動することの利点について述べています。ついつい私たちは悪影響についてのみ目線がいってしまいがちですが、良い点に着目するのも大事ですね。

論文では、妊娠しているかどうかに関わらず、自然環境への曝露は、ストレス、不安、抑うつ、精神的苦痛の軽減、エネルギーの増加、身体活動を楽しむ程度の向上など、精神的・身体的健康の改善と関連していると述べています。

特に妊娠中では、緑地へに行くことで、

○早産の減少
○出生体重および出生時身長の上昇
○在胎週数に比して小さい子供の減少
○母体の身体活動量の増加
○母体の抑うつの減少

と関連していると述べています。こうした効果は、精神的な健康上の問題を抱えたことのある女性、難民コミュニティに属する女性、移民の背景を持つ女性、あるいは障害のある女性を含む女性を対象とした研究では、自然の中で時間を過ごすことが、産後の母親のウェルビーイングに著しい利益をもたらすことが報告されています。

母親たちは、特に悪天候にもかかわらず外出するといった困難に直面した場合でも、赤ちゃんと一緒に自然の中で時間を過ごすことで、自己効力感、自信、達成感、そしてエンパワーメントが高まったと報告されている論文もありました。

論文の内容については日本の状況に直ちに当てはまるわけではありませんが、妊娠中に野外の自然の環境と触れ合うことは一定の良い効果があるようです。

次回は健康障害に関連するような環境要因とその影響についてお話しします

引き続きJMMC 日本山岳医療協議会では山岳医療、野外医療の関わるガイドラインや論文を紹介してまいります!
(原則、毎週金曜日更新)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

日本山岳医療協議会JMMC代表

目次