【ガイドライン・論文紹介】Wilderness Medical Society Clinical Practice Guidelines for the Prevention, Diagnosis, and Treatment of Acute Altitude Illness: 2024 Update(第3回)

原文リンクはこちら: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37833187/

7月17日、7月24日に引き続き、2024年にWilderness Medical Societyがまとめた高山病に関するWilderness Medical Societyのガイドライン紹介の第3回目となります。

今回はダイアモックス(アセタゾラミド)は高山病に効果があるのか?!という視点で見ていきたいと思います。ではさっそくこのガイドラインの続きを見ていきましょう。

※下記に示している薬剤の内服方法は論文や研究としての例であり、実際の服用については処方された医師とご相談いただき、医師の指示の通り内服してください。

【今回のガイドラインについて】
本ガイドラインは、2010年に『Wilderness & Environmental Medicine』に掲載された「急性高山病の予防と治療に関するWMSコンセンサスガイドライン」、および2014年と2019年に同誌で「急性高山病の予防と治療に関するWMS実践ガイドライン」として発表された改訂版を更新したものとなります。

【ダイアモックスの効果】
●概要
結論から申し上げますと、「急性高山病の予防と治療に関するWMS実践ガイドライン」では、過去の複数の臨床的な研究の結果、急性高山病の発症予防効果があるとされています。ただし、高容量の方が効果があるかというとそうではなく、一部の研究では、推奨用量よりも高用量のアセタゾラミドを使用した場合に、

・最大運動能力の低下
・最大運動時の呼吸困難感(息切れ)の増加
・下肢筋持久力の低下
・高強度運動時の呼吸筋機能の低下

の症状があると報告されています。

ただし、上記のように仮にアセタゾラミドが運動能力に悪影響を及ぼすとしても、その影響は小さく、登山中の全体的なパフォーマンスもあり、中等度から高所までの登山における登頂成功率に影響する可能性は低いと考えられます。

●内服方法
・成人(エビデンスレベル 高)
成人の予防投与として推奨される用量は、1回125mg1錠を1日2回内服です。

高リスクの登山計画では標高5,000mまで登る場合に、1回250 mg(つまり倍量)を12時間ごとに内服する高用量の飲み方もありますが、そういった高リスク環境において125 mgと250 mgを直接比較した研究はいままで方おっくされていません。また同様に、標高5,000mを超える高度での適切な投与量についての研究も、論文発表時まででみる限り十分な研究は行われていません。

・小児(エビデンスレベル 低)
小児では、1回1.25 mg/kg(最大125 mg/回)を1日2回使用することが推奨されています。

成人、小児共に、内服開始は登山開始の前夜から開始するのが望ましいとされますが、前夜から内服開始できなかった場合でも、登山当日に服用を開始することで予防効果は得られとされています。

今後の研究で薬剤の効果の解釈が変わることがありますので、使用にあっては必ず医師とご相談ください。

次回へ続く・・・
今回は皆様もご興味が多いダイアモックスの効果について今回はお話しさせていただきました。次回はそのほかの薬についての効果もお話しさせていただきます。

引き続きJMMC 日本山岳医療協議会では山岳医療、野外医療の関わるガイドラインや論文を紹介してまいります!
(原則、毎週金曜日更新)

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この記事を書いた人

日本山岳医療協議会JMMC代表

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